大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和27(あ)4733 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人江尻平八郎の上告趣意第一点は、憲法違反を主張するけれども、憲法三七

条にいわゆる「公平な裁判所の裁判」とは、その組織構成において偏頗のおそれの

ない裁判所のする裁判という意味であつて、所論のごとき意味合のものでないこと

は、しばしば大法廷において判例として示しているところである。この点の所論は

理由がない。その余の強盗の犯意について事実誤認、経験則違反を主張する点は、

適法な上告理由とは認め難い(原審の事実認定は正当と認められ違法のかどは存在

しない。)

同第二点は現行憲法の下で死刑の規定は違憲無効であると主張し、これを前提と

して本件死刑の言渡もまた違憲だと主張するのであるが、死刑の規定が違憲でない

ことは大法廷の判例(昭和二三年三月一二日言渡、判例集二巻三号、一九一頁)の

示すとおりである。

被告人本人の上告理由は、強盗の犯意の有無に関する事実誤認の主張であつて、

上告適法の理由にならない。また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものと

は認あられない。

よつて同四〇八条、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決す

る。

昭和二八年五月二一日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

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裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 入 江 俊 郎

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